会社のノウハウが形式知化される 3つのメリット
- info47802
- 2015年5月29日
- 読了時間: 3分

私は、企業向けに「卓越したノウハウを形式知化して、習慣化する」 ことを目的としたコンサルティングを行なっています。 今、団塊世代が続々と退職していく中で 営業、製造などノウハウが伝承されないままに、企業から消えていくことを 危惧する経営者・事業部長が増えています。 形式知という言葉を出したので、一応言葉の定義をしておきます。 暗黙知とは、 「経験や勘に基づく知識のことで、言葉などで表現が難しいもの」 形式知とは、 「主に文章・図表・数式などによって説明・表現できる知識」 ここで大切なことは、経験や勘を自分では形式知にすることは難しくとも プロがやれば、形式知にすることができます。 形式知になれば何がいいか? 3つの経営メリットがあります。 1.再現性を発揮できる 暗黙知とは意識できていないことなので、 ブランクが空いたり、調子が悪くなるとその時点で 元の状態を取り戻せなくなります。 売れる営業マンが突然、調子を崩して売れなくなったとき、 どういう戦略・行動が変わったのか? 意識出来ていないと、スランプが続きます。 形式知になっていると、自分でチェックすることができ 取り戻すことができます。 たとえば、営業で言うならば、ヒアリング項目がどれだけ聞けていないか? テレアポの数がどれだけ減ったか?提案の数がどれだけ減ったか? 原因と結果の法則からすれば、原因を追求するためには、ノウハウの形式知化が 必要です。 結果、売れ続ける営業マンになるのです。 2.全社化できる 形式知化できると、優れたトップ5%のノウハウを全社化することができます。 もちろん、受け入れない人もいるでしょう。 しかし、展開することができるのは、形式知になったからです。 ここでポイントなのは、トップ5%ノウハウは多様性があり、個別制が高いので これをどのように統合して、全員に納得感がある体系に仕上げるかがポイントです。 ただ、形式知にして私が最も目指したいのは、全社化する、習慣化することです。 3.進化・発展できる 無印良品のMUJIGURAMという全社マニュアルをご存知でしょうか? 会社のアルバイト教育から店舗立ち上げまで、この全社マニュアルに乗っ取ってやる ことになっています。 これによりノウハウの再現性と全社化ができているわけです。 そして、このMUJIGURAMが素晴らしいのは、進化・発展を続けていること。 良いノウハウがあれば、それがMUJIGURAMに反映されて、また展開されるようになります。 進化・発展のDNAもきちんと組み込まれた仕組みづくりになっているのです。 これは初めから意図して作らなければ、決してできるものではありません。 無印良品はこれにより、急速な多店舗展開を続けながら、高品質・高いサービスを 提供し続けているのです。 マニュアルというと柔軟性が欠けるように聞こえますが、社員の自立性と理想的な手順や工程 を指し示してそれを遵守させることは両立できます。 大切なことは、思想。 やらされ感でマニュアルだと社員が捉えた瞬間に、受身になり抵抗が始まります。 この辺の話はまた、別の機会にお話したいと思います。

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