ラーニング3.0は「行動変容を徹底追及する」

私は、「習慣化」を専門にコンサルティングをしています。
特に法人向けには、単発研修の効果に限界を感じており、行動変容が起きていない現実を人事のご担当者様と改革を進める提案をしています。
これをラーニング3.0と呼び、次のように定義しています。
ラーニング1.0とは、知識付与型の研修 「分かる」を重視
ラーニング2.0とは、スキル習得型の研修「できる」を重視
ラーニング3.0とは、行動変容型の研修「つづく」を重視
では、行動変容はどのようにして起こるのか?
大きく4つの観点で現状を変える必要があると考えています。
1.受講生の行動動機の変容
多くの会社では、行動変容のために上司との面談シートを導入しています。私のお客様でも導入しているケースはありますが、注意が必要です。
大前提は、行動の習慣化を目指すのであれば強制力では続かないということ。
一時的なアクションプランは強制力、チェック形式で問題ありません。
しかし、続けることは自主的な内的動機からしか生まれません。主体的な行動意図と研修内容を繋げる必要があります。
具体的にどのようにするかは、研修内容の作り方と人事様のフォローのマインドがとても重要です。学校の宿題形式で「やらないと罰があるから」という動機からは能動的な行動は引き出せません。内的な動機が各受講生から発芽し、行動に結びついてこそ、習慣化は実現します。
夢物語ではなく、これは多くの場合実現可能です。
私は研修を年間100日、実施しますが必ずどんなに斜に構えて臨む受講生の中にも肯定的な学習意図が存在します。問題はこちらがその存在を認め、発芽するように研修を進めることです。
具体的には別の機会にもお話したいと思います。
2.研修から現場への接続を良くする
研修の入り口と出口を考えた時に、研修が終わったときに現場への実践にどのように繋げているかがポイントです。
多くの場合には次のようなプランを放置しているケースがあります。
PDCAをキチンと回す
お客様のニーズを明確に把握する
部下の話を聞く
積極的に挨拶する
これは気づきであって、アクションでありません。
アクションとは、脳が行動命令として受け取れるものでなくてはいけません。
研修の内容からPDCAが重要だと思ったという気づきは重要です。
これを痛感した時点で、研修が受講生の肯定的学習意図に響いたと言えます。
しかし、この状態で現場に戻ると、
やろうと思っていたけど忘れていた。
つい忙しくて、余裕がなかった。
となるのが関の山です。
人間は変化を嫌う動物であり、基本的に本能レベルでは変化に抵抗します。
だからいつも通りが一番心地よいのです。
そこで、脳が言い訳をしないレベルに行動を具体化することが重要です。
PDCAとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(振り返り)、ACT(改善)の4つからできているので、何をすることなのか?
そして、Planだとしても、どのような行動をすることかを決めるといいでしょう。
「出社後、PCを開く前に15分、ポストイットにやることを書き出し、1日の作業の優先順位を並べてから仕事を始める。」
こういうレベルになれば、明確性は高まります。
これを受講生に負担がなく、直感的に全員ができるようにすると全ての研修で実施が可能です。一部のロジカルに考えられる人だけが実現するものではありません。
弊社では、受講生100人が1度の研修でこのような具体化が一気に実現できるプログラムを販売しています。30分で見違える実践的なプランが出来上がります。
3.研修後の7日のフォロー
行動、習慣化は初動へのアプローチが極めて重要です。
最初の7日間で42%以上の方が挫折します。
この7日間でエネルギーを投入して実践・継続をフォローできると実に高い行動変容が起きます。
4.行動数値での効果検証
ラーニング3.0は受講アンケートで研修を評価するのではなく、1ヶ月後の実践率と変化を数値化することで最適化を計ります。
数値化のフィードバックがなければ、研修のPDCAが回りません。
既存の研修の評価が、受講生アンケートでの効果検証になっているのであればそれはラーニング2.0型です。
ラーニング3.0型は、行動変容が全ての価値観なので、どれだけの人が行動し、どれだけ継続したか、そして業務にどのようなインパクトをもたらしたかを最重視項目とします。
この4つの観点をいきなり持ち込むのではなく、徐々に1つの研修でラーニング2.0型から3.0型にする。
効果が出たら、次の研修へと展開していくのが最初の一歩です。
ご興味のある会社様はセミナーも行なっておりますし、個別にご提案も可能です。どうぞお問い合わせください。
