某金融機関の研修意欲を高める仕掛け
習慣化コンサルタントの古川です。
研修担当者としては、
社員の研修意欲を高めるのは本当に難しいと悩むところですね。
さて、ある金融機関にうかがった時に研修意欲が高い会社が
2社あったので、その事例をお話したいと思います。
○某証券会社
この会社では、研修を手挙げ式でやっているのですが、
競争率をわざと高めて、簡単に受講できない仕組みにしています。
つまり、志望動機が低い受講生は、落とされる。
教育機会にはコストがかかるので、その費用が回収できるような
現場実践をする目的意識を持った人に来て欲しい。
こんな試みから、競争率は5倍以上。
よって、皆さん、応募動機を真剣に書いて受講したいという
アピールをしてくるのです。
その内容を人事が見て誰に受講させるかを決定するという流れです。
研修を提供する私も、受講生の真剣度合いはピカイチ。
皆さんの課題意識も高く、その分内容に対する期待も大きいので、こちらも真剣勝負です。
もちろん、この会社にも新人研修やマネージャーの研修など強制研修は
あるのですが、基本の思想は「教育は義務ではなく、権利」。
このように、応募の枠を狭き門にすることで
研修への意気込みを変えるのは1ついい仕組みですね。
○某保険会社
この会社の面白い仕組みは、20%を自費負担させるという仕組み。
自費負担だと参加する社員はいるのかと思いがちですが、
この会社の社員の40%以上は「それでも会社が80%も負担してくれている」
「外に受けに行くより安い」と考えて受講をしています。
本来、教育は自分で行なうもの。
成長には自分で責任を持とうという思想の元、
人事はカフェテリアのように会社に必要な教育メニューは、外部から情報収集して
いいものを厳選して提供しています。
だから当然、研修評価が悪いとすぐに排除されます。
なぜなら、社員も自腹を切っているので、真剣だから。
このような会社の仕組みが機能するのは、
思想と仕組みと言動が一致しているからです。
自主性と重んじるのか、強制力で学習を促進するかは、
社風によっても変わってくるでしょう。
ただ、自主性に任せるなら、これぐらいの思想と仕組みで取り組むことも
重要な視点だと思います。
