やる気がない社員の残業をどう減らすか?
習慣化コンサルタントの古川です。
先日、ある企業の働き方改革を担当されている方から
次のような意見をいただきました。
「いやー、先生の言う高密度化のメソッドは分かりました。
時間簿をつけると確かに残業は減り、生産性は高まるでしょうね。」
「でも、うちの課題は本当にどうしようもないレベルで残業している
社員なのです。交通費の清算も期日過ぎても出さないし、週報も1ヶ月も
出さない。こんな人たちが時間簿を書くとは思えないのですが。」
「うちの会社では全体を上位20%、中間50%、下位20%に分けると、下位20%が問題なのです。ここを改善しようと色々手を尽くしていますが、本当にやる気がなくて、変化しようとしないのです。」
「どうすればこう言った社員が自ら変わっていくように
やる気を高めることができるのでしょうか?」
という悩みです。
よくあるご質問であり、悩みです。
私も行動変容や高密度化を研究し、コンサルティングを行なっていますが、
この問題に対する私なりの対策は次の通りです。
大原則は、やる気を高めようとしないことです。
「やる気を高めないと、残業は減らない」
という前提に経つと、やる気を上げることが全ての課題になります。
しかし、当然それは簡単ではありません。
やる気が落ちているのは、会社への不満かもしれませんし、
上司への不満かもしれません。
配属の不満、評価されていない不満、家庭の問題など複合的に
且つひとそれぞれ個別にも違います。
やる気を扱わない、行動修正に焦点を当てることが大切です。
行動修正をするには、
数値化する
標準とのズレをフィードバックする
です。
数値化するとは、何となく残業が多いと指摘しても、
彼らは「いや、そんなことはない!頑張っている」と反論するでしょう。
そこで、何にどれだけ時間がかかっているのかを明確にすれば、
標準的な仕事時間から30分余計にかかっているのか、2倍の時間がかかっているのかが分かります。
だからこそ、最終的に時間簿が重要なのです。
私たちもテスト結果を見るとき、平均値と比べてどうかを
評価の基準にします。
同じ業務を行なっている上位20%の人たち、中間の60%の人たち
が特定の申請書処理のどれだけの時間がかかっているのかを
数値化してその人の処理時間と比べれば、
平均時間:45分
対象者 :90分
となれば、2倍時間がかかっていることが明確に指摘できます。
このズレに言い訳はあるでしょう。
私の場合は、個別環境が違うなど。。。。
でもそれを踏まえても二倍が妥当かと聴けば、
恐らくNOだと思います。
この数字を元にフィードバックして改善策を話す。
ずっとこの数値が放置されるようなら、評価にも影響が出ることを伝えます。
やる気や仕事に対するマインドを変えることは簡単ではありません。
大切なことは行動指標と生産性の数値からどれだけ差異があるのかを
感情論抜きに論理的にフィードバックすることです。
もちろん、これで100%、解決することはありません。
下位の20%の人を変えるのは簡単ではありません。
しかし、人事部が一番少ない労力で無駄なエネルギーを使わず効果的に
対策を打つならばこれが最善の方法ではないかと私は考えております。
7月26日、8月5日に高密度、行動変容セミナーを行ないます。
どうぞご興味があればお越し下さい。