トヨタの優れた育成文化

習慣化コンサルタントの古川です。
今日はトヨタの育成から行動変容を捉えてみたいと思います。
プレジデント、2016.4.4号に
東京大学大学総合教育センター准教授の中原淳先生が
トヨタの「OJT」はどこかすごいか
という記事を書いています。
その内容を一部抜粋してご紹介します。
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一番の特徴は、人材育成の指針を」「OJT」とワンコンセプトで
言い切っているところです。
トヨタのOJTは、多くの人がイメージするOJTとは異なります。
通常OJTとは、新人や若手社員が職場の先輩や上司につきっきりで仕事を学ぶ
1対1の限られた関係、期間で行われるものです。
ところが、トヨタのOJTは、部長が課長を教え、課長が話変えてを教え・・・・
というように、上から下へ教え教えられる関係がつながっており、組織全体で
取り組む世代継承の仕組みと言ってもいいかもしれません。
つまり、トヨタの社員は、常に教えたり、教えられる関係の中にいて、全員が常に育成に
コミットしている状態にあるのです。
取材中、社員の方から「いつも誰かしら研修に行っていることが普通」という言葉を耳にした。
Learning by Teaching(人は教えることで学ぶ)という言葉の通り、「教える」
ことによる効果は枚挙にいとまがありません。
人は教える舞台に立つことで、自分の知識を整理することができます。
また、教えることで、自らの行動もその通りにしなくてはと率先垂範するようになります。
さらに、自分の組織について語ることで、組織に対するコミットメントが強くなり、
組織文化を強固にします。
ただし、トヨタの人材教育を真似することは簡単ではありません。
「教え・教えられる風土」は一朝一夕にできるものではないからです。
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私は、行動変容型の5つのステップを次のような
コンセプトにまとめています。

トヨタの育成はまさに、最後は教え合う風土が醸成されているので、
その手前の4ステップが実現するのです。
中原先生がいうように、一朝一夕では難しいですが、
長期的な戦略から言えば、教え合う風土の醸成から行動変容型の設計をする。
上司は教えることを全体に自分の行動を変え、自然にできるようになる。
部下は研修の場面で習ったことが、「なるほど!上司や先輩はだからできるのか!」という
種明かしのものであり、上司も経験則だけではなく、体系的なフィードバックができるよう教育する。
行動変容型研修は、醸成した文化をつくるところまで視野に入れます。
社内全体が教え、教え合うOJTは、行動変容の重要な戦略だと考えます。
