高密度理念と数字が生産性を高める
- info47802
- 2016年12月7日
- 読了時間: 4分
習慣化コンサルタントの古川です。
JALを見事復活させた、稲盛和夫氏。
稲盛氏がJAL改革でやったのは、
フィロソフィーの浸透とアメーバ会計による数値管理でした。
この2つが融合してこそ、初めて真の改革は成り立つと言います。
会社の生産性を高めて、残業時間を減らすために
どうすればいいのか?
結局、社員一人ひとり、その結果としての文化を変える必要があります。
そのためには、まさに稲盛流と同じく、「理念と数字」が肝です。
まず、数字とは、何か?
退社時間や残業時間、そして何より生産性を示す数値評価です。
残業時間は真の問題ではなく、大切なことは高密度化し続けること。
繁忙期に残業が発生するのは社員にとっては環境要因で致し方ないことです。
生産性の指標は、前年度比とするか、前月比とするとか、売り上げで割るか
など職種によって変える必要はありますが、
少なくとも、査定の時に生産性を1つの指標として盛り込まなければ
社員の高密度化へのインセンティブは変わりません。
某広告代理店は、
営業の売り上げ目標の達成率とともに、投入時間を毎月フィードバックに
入れています。
その月の売り上げが高くても、それに見合わない残業時間の場合は
上司が面談でフィードバックするのです。
そこで部下は、今月はもっと段取り良くしないと。。。
と緊張感が生まれます。
まずは、数字を見ると私たちはそれを追いかける本能があるので、
定量化は欠かせません。
2.理念
さて、数値だけで考えれば、社員からは不平不満が出てきます。
なぜなら、多くの会社で残業や生産性の問題の6割以上を決定づけている
ものは環境要因(つまり、会社の業務プロセスや制度・職場風土・評価)
だからです。
そこで、大切なことは、何のために高密度化をするのか?
という理念です。
そもそも社員がやらされ感になっているのは、
・会社は得する、自分たちは損する
・会社は何もしない、無理するのは自分たちだけ
と思っているからです。
会社としては、残業代の概念を変えたり、報酬体系を変えたり
業務プロセスを変えてシステム導入をしたりするのは、
時間がかかる作業です。
すぐに合意できません。
人事部や経営企画・役員を含めて、その条件をすぐに変更することは
コミットしづらいものです。
しかし、社員はこの要因を会社が取り組まずして
自分たちだけに36協定のしわ寄せを飲ませようとする。
さらに残業代が減って得するのは会社だけと考えると
受け身と被害者意識でいっぱいになります。
そんな状況で社員の一人ひとりの意識を高めるというのは、
大きな矛盾です。
そして、それを分かっていながら、
人事部も経営幹部も「見て見ぬ振り」をして
アンタッチャブルな問題として触れない。
これでは両者の合意は生まれません。
そこで、理念とビジョンが必要です。
そもそも何のために、高密度化するのか?
会社が社員の幸福を願っているからではないでしょうか?
そのためには、健康で家族との時間も大切にし、自己開発のための
時間もつくる。
もっと豊かになるために、自分が大切にする人生の時間を
生み出すことではないでしょうか?
さらに会社が筋肉体質になって、高収益企業になれば
社員が誇れる会社になり、安心できる居場所になる。
さらに生産性を高めるビジネスパーソンになれば、
どんな会社に行っても通用する。
うちの会社で働いていれば、どこに行っても通用する
人材になり、外から優秀な人が入ってくる。
そんな会社になれば、社員にとって目先の経済的報酬
だけではない、自発的動機になると思います。
・自分の生活や人生がどう良くなるか
・自分のキャリアがどう豊かになるか?
・自分の経済面でどんなメリットがあるのか?
・会社が自分に誇らしい場所になるのか?
・会社が成長し、長く勤められる場所になるのか?
・社員同士切磋琢磨して自分を高められる学びの多い風土になるのか?
全て社員の関心ごとであり、企業の関心ごとだと思います。
この究極の目的を達成するためには、
高密度化への理念・ビジョンが必要です。
一緒に夢見るビジョン。
経営幹部も経営企画も人事も事業部も社員一人ひとりが
一緒の方向に向かうことができる理念が短期と中長期、
立場の違いの溝を埋めてくれます。
経営者も人事部も社員の一人です。
自分たちもそのビジョンに向けて何ができるかを
必死に考えて取り組む。
そんな一体感が会社を変えます。
36協定、国から叩かれるから、違反者をどう処罰するか
どんなルールや制度を設けるかばかりに始終すると、
生産性向上は限定的になります。
高密度理念とビジョンを一緒につくってみませんか?
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